ドッグフードにも添加物が入っている?

 

添加物とは、食品を長持ちさせる酸化防止剤、新鮮に見せるための着色料、食欲を刺激するための甘味料などです。

普段から摂取しないよう気を付けている人も多い添加物……人間の食べ物に入っているように、実は大抵のドッグフードにも含まれているのです。
中には与え過ぎると皮膚炎などのアレルギー反応が出たり、癌を発症したりする危険な物質も存在します。

しかし添加物と言ってもビタミンやミネラルといった天然由来のものもあるため、一概に有害であるとは言い切れません。栄養分を強化し、栄養価を高める栄養添加物、酸化防止剤など品質を保持するための添加物、また嗜好増進を目的として酸などが利用される事もあります。

ペットフードの栄養バランスを整え、有効成分を補強するためには、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類といった栄養添加物を欠かす事はできないでしょう。

日本では、ペットフード安全法で使用上の注意が必要な添加物について、科学的知見に基づき上限値が定められています。
その他の添加物に関しては、日本国内の食品添加物や飼料添加物、アメリカ・ヨーロッパで定められた食品添加物またはペットフードに使用できる飼料添加物の基準等を基に、各メーカーでその安全性を確認して使用しています。

避けたほうが良い添加物

 

1つめはエトキシキン。これは日本では食品添加物として登録されていない、非常に強い抗酸化作用を持つ有機窒素化合物です。
海外では飼料・ペットフードの抗酸化剤や、リンゴ・梨などの焼け防止剤、殺菌剤として広く用いられており、また、ベトナム戦争でアメリカ軍が使用した枯葉剤(かれはざい)の酸化防止に使われていたという歴史もあります。
人間はもちろん、犬に対する悪影響は計り知れません。
基準値を超えて摂取すると、癌を発症する事もあります。

2つめはブチルヒドロキシアニソール。
BHAと略される脂溶性の有機化合物であり、主に酸化防止を目的として用いられる食品添加物です。化粧品等にも使用されています。
名古屋市立大学の研究グループによってマウスの前胃に対しての発癌性が報告されましたが、発癌性の見られる用量は通常使用量の数万倍である事から、通常の使用量では影響がない事が確認されました。
しかしマウスを使った他の実験では経口投与した数分後に歩行困難となり死亡したという例もあり、非常に強い抗酸化作用を持つのは事実なので、愛犬の事を思うなら避けたほうが良いでしょう。

そして3つめがジブチルヒドロキシトルエン。
BHTと略される脂溶性のフェノール類です。
主に抗酸化剤として用いられ、化粧品・ボディソープ・医薬品・ジェット燃料・ゴム・石油製品にも使われています。
発癌性は確認されていないものの変異原性は認められており、催奇形性の疑いがあります。
食品に対するジブチルヒドロキシトルエンの使用は問題があるのではないかという指摘があり、アメリカ合衆国では乳幼児用食品への使用が禁止されています。
ジブチルヒドロキシトルエンの使用を自主的に取りやめている食品会社もあります。

酸化防止剤として使われている安全な成分

1つめはミックストコフェロール。
トコフェロールとはビタミンEの事で、複数種類のトコフェロールを混ぜたのが「ミックストコフェロール」です。

2つめはクエン酸。有機酸の一種で、レモンなどの食品に含まれ、人間の体内にも存在します。
安全な成分です。

3つめはハーブエキス。ローズマリーなどのハーブから抽出した、酸化防止作用をもつ成分です。
天然のものです。

ドッグフードを購入する際は裏面をよく読んで選んであげましょう。
「ペットは家族」と言いつつ危険な添加物を与え続ける、という事態にならないために、きちんと知識を持つ事が重要です。