犬と生活をしていると、時には人間の食べ物を与えたり、テーブルの上にあったチョコレートを勝手に食べられてしまうなんて事はありませんか?
でも、人間の食べ物が犬にとって必ずしも安全なわけではありません。
毒性のあるもの、もしくは毒性がなくても過剰摂取する事で「中毒」を引き起こしてしまう場合があります。
犬との生活が始まったら、犬に与えてはいけない食品を知っておく事が大切です。
中毒を引き起こす食品とは?
毒物によって体に有害な作用を及ぼす事を「中毒」と言いますが、犬が中毒になると、嘔吐や下痢、食欲不振、最悪の場合には死亡する場合も。
では、どんな食品に注意すべきなのでしょうか?
中毒を引き起こす代表的な食品4つと、中毒になってしまった場合の症状も併せて紹介しましょう。
-
- チョコレート
- チョコレートに含まれる「テオブロミン」という物質に毒性があります。
チョコレート中毒の症状
摂取したチョコレートの量により、中毒症状の重症度は変わってきます。
また、チョコレート摂取後、早くて1~2時間、通常6~12時間以内に以下の症状が出ると言われています。
初期症状:落ち着きがなくなる・吐く・尿失禁(おもらし)・下痢・筋肉の震え・脱水・体温が高くなる
症状が進行すると:筋肉の硬直・痙攣・昏睡・死亡する可能性もある
-
- タマネギ
- タマネギに含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という物質が体内に吸収され赤血球を壊す事で、貧血症状が出ます。
赤血球は体中の組織に酸素を送り届け、代わりに不要物を受け取っています。
そのため、赤血球が壊れてしまうと、呼吸困難などに陥る事もあります。
タマネギ中毒の症状
初期症状:貧血(粘膜が白くなる)・黄疸(粘膜が黄色くなる)・食欲不振・元気がない・尿が赤い(血色素尿)
症状が進行すると:呼吸困難に陥り、ひどい時には死に至る
-
- ぶどう/レーズン
- 原因物質はまだわかっていません。中毒を起こすメカニズムも不明です。
ぶどう/レーズン中毒の症状 摂取後24時間以内に、吐く・食欲不振・下痢
全ての犬に起こるわけではありませんが、急性腎不全を起こす事もあります。急性腎不全が重症化した場合には死に至る場合もあります。
-
- アルコール
- アルコール飲料に含まれる「エタノール」が原因です。
また、焼く前のパン生地(ある特定の酵母が原因)や、腐敗したりんごを摂取した後にアルコール中毒を起こしたという事例もあります。
アルコール中毒の症状
初期症状:尿失禁(おもらし)・吐く・下痢・嗜眠(眠り過ぎる)
症状が進行すると:呼吸制御・昏睡・発作・死亡する可能性もある
もし食べてはいけないものを食べてしまったら?
「飼い主の目を盗んでチョコレートを食べた」「ご飯を食べてから何だか様子がおかしい」。
もし、こんな風に中毒を疑う場合には、飼い主はどのような対処をすべきなのでしょうか?
中毒を引き起こした場合、家庭で出来る治療法はありません。必ず動物病院で診察を受けて下さい。
その際、獣医師へ伝える内容は全部で3つです。
-
- 何を食べたか
- 犬にとって毒性のある食品を食べているかどうかの判断ができます。
-
- どのくらい食べたか
- 犬の体重と摂取した分量によって、症状がどのレベルなのかが分かります。また、毒性のない食品でも過剰摂取する事で中毒を引き起こす場合があります。
-
- いつ食べたか
- 摂取してからどのくらい経過しているかによって、症状のレベルが分かります。もし時間が分からなければ、いつまで元気だったか、あるいは元気がない事に気付いたのはいつ頃かを獣医師に伝えましょう。
これらの情報をできるだけ細かく、正確に伝えるようにしましょう。
参照:専門家監修 犬情報サイト「ワンぺディア」