たんぱく質の役割

たんぱく質は人間も動物も身体をつくりエナルギー源として欠かせない以外にも酵素として体の調子を整える重要な栄養素です。
特に動物の体を構成する物質の約20%を占める、とても重要な栄養素です。

成長期は筋肉などの組織を作るため、成犬の4倍の量が必要とされており子犬用や成長期の愛犬のドッグフードにはたんぱく質が多く入っています。犬に必要なたんぱく質の種類たんぱく質は過剰摂取や不足したりしないよう注意してください。

ペットフードに含まれるたんぱく質

たんぱく質はアミノ酸と呼ばれる成分が鎖状に繫がってできたもので、たんぱく質のもとになるアミノ酸は約20種類ですが、繫がり方の違いによって様々な種類のたんぱく質となります。

動物性たんぱく質は植物性たんぱく質よりも犬や猫が消化吸収しやすく良質と考えられていましたが、食品の加工技術が進んだ現在では、植物性たんぱく質でも十分に消化吸収が可能となっています(犬はもともと肉食動物のオオカミだったので、動物性たんぱく質が合うと言われていましたが、進化して犬は植物由来のデンプンを食べて消化できるだけでなく、果物、野菜、ハーブ、穀物、肉、鶏、魚などの多種多様な成分を含む食べ物を摂取する事でも成長できるように遺伝子が改変され、真の雑食動物へと進化した、と発表されています)。

大事なのは使われている原材料ではなく、ペットフードに含まれる栄養素のバランスです。犬に必要なたんぱく質の種類たんぱく質を作る約20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できないため、必ず食事から摂取しなければいけないアミノ酸があり、これを「必須アミノ酸」と呼びます。犬に必要なたんぱく質の種類必須アミノ酸の種類や数は動物によって異なり、人間は9種類、犬は10種類、猫は11種類あります。

たんぱく質を構成するアミノ酸

イソロイシン
筋肉の強化や肝機能の向上効果のほか、血管の拡張や体の成長を促進する働きがあります。
イソロイシンを含む食材:鶏肉・牛肉・鮭・チーズなど
ロイシン
肝臓の機能を高めて、筋肉を作り出し、傷ついた筋肉を修復する効果があります。
ロイシンを含む食材:牛肉・鹿肉・馬肉・レバー・アジ・鮭・大豆製品・乳製品など
バリン
筋肉の強化に効果的。ほかにも、体の成長を促進する働きや肌のハリを保つ効果など様々な効果があります。
バリンを含む食材:レバー・牛肉・鶏肉・鹿肉・馬肉・魚・チーズなど
リジン
体を構成するたんぱく質の組み立てに必要な栄養素。集中力を高めたり、カルシウムなどの吸収を促進するほか、肝臓機能の強化などの効果があります。
リジンを含む食材:鶏肉・牛肉・鹿肉・馬肉・魚介類・チーズ・納豆など
メニチオン
肝臓で毒素や老廃物の排除や代謝を促進し肝機能を高め、アレルギーの原因となるヒスタミンの血中濃度を低下させる効果があります。
メチオニンを含む食材:鶏肉・牛肉・羊肉・マグロ・カツオ・豆腐・納豆・チーズなど
フェニルアラニン
脳と神経細胞の間で信号を伝達する役割を持つ化学物質の神経伝達物質で、体内でノルアドレナリンとドーパミンに転換し、神経伝達物質として働きます。
フェニルアラニンを含む食材:大豆・高野豆腐・小麦・卵・チーズ・かぼちゃ・じゃがいも・肉類・魚介類など
スレオニン
成長を促進したり、肝臓に脂肪が蓄積するのを抑制する効果があります。また、コラーゲンを合成するのに必要な材料のため、肌のハリを保つ効果もあります。
スレオニンを含む食材:鶏肉・卵・七面鳥・鹿肉・ゼラチンなどの動物性たんぱく質など。
トリプトファン
肝臓や腎臓で分解され、エネルギー源として利用されます。ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質を作り、集中力、記憶力を高める効果があります。
トリプトファンを含む食材:大豆・高野豆腐・バナナ、パイナップル、緑黄色野菜・きな粉など
アルギニン
成長ホルモンの分泌を促進し、筋肉組織の強化や免疫力を高めたり、アンモニアを解毒する効果があります。
アルギニンを含む食材:鶏肉・牛肉・鹿肉・馬肉・鮭・チーズなど
ヒスチジン
神経機能補助の効果があり、また赤血球を形成する時に必要であるため、貧血にも効果があります。
ヒスチジンを含む食材:鶏肉・鹿肉・馬肉・まぐろ・カジキ・カツオ(赤身の魚)